- ハワイアンキルトって何?
- ハワイアンキルトにはタブーがあると聞いた。
- ハワイアンキルトはどんな作り方?
この記事ではハワイアンキルトが初めての方へハワイアンキルトについてご紹介します。
ハワイアンキルトのはじまりや歴史、タブーとされていること、アップリケやキルティングなどの基本を解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
ハワイアンキルトの魅力
ハワイアンキルトの魅力のひとつは、アップリケとキルティングという工程のシンプルさ。
無心でチクチクと針を進める時間は、細かい作業でありながらまるで瞑想のように脳がリラックスしていきます。
デザインにはハワイの植物のほか、ハワイの文化を伝える風景や花、神話などの象徴が美しく施されます。
ハワイアンキルトが華やかでありながら癒しをも感じさせてくれる理由は手作業の温かみ。
のんびりとハワイの風景を思い浮かべながら針を進めていく時間は穏やかな気持ちをもたらしてくれます。
ハワイアンキルトの歴史
ハワイアンキルトのはじまりは今から約400年前。
アメリカ東部からの宣教師団がハワイの女性たちに裁縫を教えたことがきっかけです。
しかし当時のハワイの人たちには小さな布を縫い合わせる手法は馴染めませんでした。
そこでパッチワークキルトではなく、大きな一枚の生地にアップリケをするというハワイアンキルトが誕生します。
デザインのはじまりは太陽に下に干してあった真っ白なシーツに写る植物の影。
影の形を布に写してアップリケがされました。
空と海、花や木といったハワイの美しい風景がイメージされる伝統品として現在まで受け継がれています。
伝統的なハワイアンキルトと現代のデザイン
ハワイアンキルトには伝統的なデザインや手法のものと比較的新しいタイプのものがあります。
正方形のデザインはタペストリーやクッションカバーに、
ポーチやバッグなどの小物や季節のイベントに合わせたデザインなど、新しい世界も広がっています。
ハワイアンキルトの伝統的なデザイン
伝統的なハワイアンキルトは土台となるベース生地と、花や葉などがデザインされたモチーフ生地の2枚の生地で作られているのが特徴です。
生地を8分の1に折ってからカットされた左右上下対称の正方形になっています。
現在でも継承され続けている手法はおおらかで華やかなハワイらしい作品が完成します。
2色の組み合わせを考えることもハワイアンキルトの楽しさのひとつ。
デザインに合った色にしたり、インテリアに合わせてみたりと好きな色で選んでいきます。
現代のハワイアンキルト
現代ではバッグやポーチ、コースターやランチョンマットなど様々な小物も作られるようになりました。
色の数も2色にこだわることなく何色もの花を組み合わせたり、葉のグリーンに濃淡を使ったりします。
デザインにはクリスマスやハロウィンなど季節のイベントが取り入れられたり、動物が描かかれたりも。
伝統が守られつつ、新しい世界も広がるハワイアンキルトの世界。
たくさんの人の手でハワイの芸術が引き継がれています。
ハワイアンキルトのタブー
伝統的なハワイアンキルトではタブーとされてきたことがあります。
現在の趣味として作られる作品では、ほとんど気にする必要はありませんが知っておくとよいでしょう。
黒い布を使う
理由は諸説ありますが、黒は葬儀の色や悪霊の色というような縁起の悪い色として認識されていたようです。
現代のハワイアンキルトではシックな雰囲気のバッグや小物、ハロウィンなどのデザインで黒い色も使われるようになりました。
伝統を守り使用しない場合もありますが、日本のハワイアンキルトでは使用していても問題なく受け入れられています。
人間や動物、生き物のデザイン
古くから花や葉、実など自然の植物が多くデザインされてきたハワイアンキルト。
人間や動物のデザインはタブーとされてきました。
諸説ありますが長い時間をかけて制作していく途中で魂が宿されてしまう、魂が抜かれてしまうといった理由があったようです。
現在では人間や動物も自由にデザインされることが多くなりました。
ハワイの風景に美しく描かれたフラガールのデザインなどもよく見られます。
ハワイアンキルトを足で踏む、床に敷く
ハワイの地で伝承されるハワイアンキルトは、ハワイの人々にとってパワーが秘められている大切なものです。
キルト作品を足で踏んだり、床に敷いて座ったりすることはタブーとされています。
日本では趣味の手芸作品として楽しまれているため、玄関マットや日本ならではの座布団カバーなど人それぞれの感性と楽しみ方が認められているようです。
多くはハワイの植物がデザイン
ハワイアンキルトではいろいろなハワイの花や木などの植物がデザインされます。
ハイビスカス、プルメリア、ロケラニ(バラ)、パンの木、モンステラなど多種多様です。
ハイビスカスやプルメリアなどの花のデザインは華やかでかわいらしい雰囲気に。
ピンクや赤を選べば部屋が一気に華やかに、気持ちもぱっと明るくなります。
木や実、葉やイルカ、カメなどはグリーンやブルーが似合うデザイン。
男の子へのプレゼントによく用いられます。
特にパンの木には「成長」「繁栄」という意味もあることから出産祝いや入園入学祝いに人気です。
ハワイアンキルトの作り方
ハワイアンキルトの作り方はとてもシンプルです。
- 生地をカットしてアップリケをする。
- キルト芯を挟んでキルティングをする。
- 仕上げ作業をする。
仕上げ作業とは作品の周囲をバイアステープで包むパイピングや、バッグやポーチ、クッションなどのファスナーや持ち手を付ける仕立てのことです。
アップリケをする
ベースの生地にデザインにカットしたモチーフ生地をしつけし、モチーフと同じ色の糸でアップリケをしていきます。
白いお花なら白い糸で、グリーンの葉はグリーンの糸です。
縫い代3mmを折り込みながらひと針ひと針縫い進めていきます。
なるべく糸が目立たないようにすることが完成作品を美しくするコツです。
キルティングをする
裏生地の上にキルト芯(綿)を重ねて、その上にアップリケをしたトップを乗せて3枚重ねの状態にします。
しつけをしたらキルティングスタートです。
キルティングの糸も基本的には布と同じ色を使い、フープという道具を使って3種類のキルティングをしていきます。
・落としキルト
・モチーフキルト
・エコーキルト
落としキルトはモチーフの周り全体に入れるキルティング。
モチーフキルトは葉脈や花びらの模様などデザインの中に入れます。
エコーキルトはベース生地のデザインのない部分に波のように入れるキルティングです。
仕上げ作業をする
キルティングが終わったらタペストリーやコースターはバイアステープでくるむパイピングが必要です。
バッグやポーチ、クッションカバーはファスナーなどを付ける作業をします。
タペストリーでもバッグでも使用することが多いバイアステープ。
まとめてカットする方法は覚えておくと便利です。
最後に:ハワイアンキルトについて
ハワイアンキルトについて歴史やタブー、作り方などをご紹介しました。
ハワイでは歴史ある手工芸品のハワイアンキルト。
とても細かく時間がかかりますがおおらかなデザインとシンプルな作業に不思議とリラックスでき、忙しい人にこそおすすめできる趣味です。
古くからのタブーなどもありますが、現在ではあまり気にすることなく作品作りを楽しむことができます。
のんびりとハワイアンキルト作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。